金木犀の香る季節になりました。
七五三のお祝い着の揚げ取りで、今年は一段と賑わっています。
揚げ取りは子供の成長に合わせて、着物の長さを調整する役目があります。肩揚げは、裄丈を調整するために肩をつまむ事ですが、子供の着物の特徴でもあり見た目も愛らしいですね。大人の女物は「おはしょり」で着丈を調整しますが、子供物は腰揚げをし、付け紐をして楽に着られるようにしています。
コロナ禍も一段落したような様子で、いろいろな行事があちらこちらで行われています。そんな中、お子様の成長をご家族で喜ぶ七五三の行事も安心してできるようになりましたね。かわいい半衿を見立て、揚げ取りした後の着物を見てニコニコしてしまいます。
雛の節句は桃の節句ともいい、1月7日の人日の節句・5月5日の端午の節句・7月7日の七夕の節句・9月9日の重陽の節句の五節句のひとつ。その雛祭り(ひなまつり)は、日本において女の子の健やかな成長を祈る年中行事です。男雛・女雛とも平安貴族の衣装であった「束帯」「十二単」の雅なお姿です。
中沢和裁師範学舎の初代は、本業の傍ら技術研究のための古代衣装の収集に励んでいました。その中に東伏見宮周子(かねこ)殿下が大正天皇御大典(1915年)の際にお召しになった「十二単」がありました。これらを解体して裁断・縫製技術を解明。その中でも「五衣(いつつぎぬ」は現代の「本比翼」「単衣本重ね」「単衣一つ身重ね」の仕立ての源流であること、また、「大腰袴(おおごしばかま)」においては「ねじり付け」による「まち付け」の難しさ、さらには袴の地質が博多織である上に、「4枚の束縫い」であるために最高の裁縫技術が要求されることなどを発見。長年研鑽を積んだ身でありながらも、当時の職人の高度な技術力には、感嘆のため息をついたそうです。
その後、解明した技術をもとに初代自ら「束帯」「十二単」の縫製技術の講習会を全国で行い、その作品(二分の一寸法)は各地に残されているようです。うち二組が中沢和裁師範学舎に大切に保存され、一組が常時飾られています。
雨の季節に活躍するのが、着物の上に着て雨から着物を守る撥水性のある雨コートですが、お手持ちの雨コートの裾を踏んでしまって困るという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな場合は、裾に丸みを入れたり、前身頃の丈を斜めに短くする(前上がりを付ける)こともおすすめです。コートの丈でお困りの方、ぜひご相談ください。
先日東京でも雪が降りました。
まだ道路にも少し雪が残っていて大変です。
しかし、そんな雪も新潟の織物作りには必要です。
それは「雪晒し」という作業です。
「雪晒し」は、雪の上に反物を広げて太陽にあてます。
毎年晴天に恵まれた2月中旬から3月末頃行われ、
雪が少ないと出来ないそうです。
東京ではやっかい物の雪も新潟では、かかせない物なんですね。
只今、中沢和裁の電話は不通になっております。
ご迷惑をおかけしますが、ご連絡はメールにてお願いいたします。
なお、復旧の際には、お知らせいたします。
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明日2月11日は、今年度の和裁技能検定(国家資格)の実技試験です。中沢和裁師範学舎では、一昨年度と昨年度の2年連続で2名が「1級和裁技能士」の資格を取得しました。有資格者もかなり増えていますが、今回は2名が各級に挑戦します。日頃の実力を存分に発揮できるように、願っています。
和裁を習い始めて2ヶ月たちました。
まったくの初心者だったので、針の持ち方から教えていただき、
運針の練習、肌じゅばんを2枚縫ってその次にじんべいを縫いました。
縫い方は肌じゅばんと変わらないということで、
見本を見ながら縫いましたが子供用でサイズがとても小さく、
柄も可愛らしかったので、楽しく縫うことできました。
男の子用と女の子用でひもの縫い目の向きが違うということも初めて知り、
とても興味深かったです。
中沢和裁師範学舎は、下記の日程でお休み致します。
4月27日(土)〜5月6日(月)
5月
着物に使う生地の長さは、おおよそ1反(約12m)です。
1個の繭から約1000m~1500mの生糸が引け、1反の着物地は約5kg(繭2500~4000個)の
繭が必要だそうです。
絹糸の長さに換算するとおおよそ4500kmで、東京⇔シンガポールの距離にほぼ等しいそうです。
びっくりするほどの長さですね。
4月
先日、自分用に縫った着物を着て出かけました。身丈や裄が自分の寸法に合った着物はとても着やすいです。
しかし、私は小柄なので抱き幅をもう少し狭くしたり、肩幅と袖幅のバランスを変えてみたら
もっと着やすくなるんじゃないかと課題もできました。また自分の着物を縫うのが楽しみです。
3月
私の縫った針目を見た先生に「あなた、心が乱れているわね」と言われたことがあります。
集中力に欠けたり、また逆に緊張しすぎていても針目は乱れてしまうのです。
心にメリハリをつけて集中力を高めていかなければと思います。
2月
和裁あるある
私たちは、仕事で使う縫い針を年に1度のバーゲンでまとめ買いします。
時々、不良品の針が混ざっていることがありますが、先生の「どの世界にも新人さんがいて、
失敗して成長していくのよ」との一言で「針の世界の新人さんもがんばれ」と思いました。
1月
「ハギを入れる」「割りを入れる」とは、生地幅の狭い反物を用いてお仕立ての場合や、
丈の短い着物を長く仕立て直す場合に、別布を足して希望の寸法にできるようにすることです。
「身丈を長くする」「裄を長くする」「身幅を広くする」など、様々なハギがあります。
残布を使って目立たないように入れたり、別布を使って、わざと目立つようにデザイン的に入れることもできます。
生地幅の狭い反物や、寸法の合わない着物をお持ちの方は、ぜひハギを入れてご自分に合った寸法に仕立ててみて下さい。