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  • 柄の配置の難しさ

    2020.10.30

    和裁を始めてから、あっという間に半年が経ちました。

    浴衣を縫うようになり、柄の配置の難しさを痛感しています。

    最近では、テレビや雑誌、街中などで着物姿の方を見かけると、

    ついついその着物の柄の配置が気になり目で追ってしまいます。

    「素敵な柄だな」「この柄の配置は面白いな」と自分なりに吸収したことを、

    実際に着物を仕立てるとき生かせるようになりたいと思います。

  • 染色工場

    2024.08.30

    数年前の話ですが、染色工場で浴衣の「注染」作業を見る機会がありました。
    注染とは重ねあげた生地の上から染料を注ぎ、染め上げる手拭いや浴衣の型染めの伝統的な技術です。
    染料がはみ出ないように糊で土手を作り、土手内に何色かの染料を注ぎ入れるので、
    色と色の混ざり合う独特のグラデーションがうまれます。
    確か7月始めくらいに伺ったのですが、工場内はとても暑かった事を覚えています。
    染色工場は川沿いにある事が多く、昔は涼しかったのではないかと思いますが、
    昨今の猛暑の中、一枚一枚丁寧に染め上げている職人さんを思うと頭が下がる思いです。
    最近は職人さん不足もあり、注染染めの浴衣は貴重なものになりつつあります。
    日本の染色技術の伝統がつまった浴衣は夏の風物詩として、後世に残ることを願いたいです。

  • 桜柄着物の旬到来

    2018.03.17

    桜柄の着物は、1年中着られるといいますが、

    枝も描かれた写実的な桜の柄は開花の少し前、今の時期に着るのがおしゃれ。

    花や花びら柄の着物を着てお花見に行くのも素敵です。

    桜柄の手ぬぐいを半襟にするのもお勧めです。

  • 季節

    2017.10.4

    金木犀の香りが漂っています。秋ですね。

    和裁の仕事でも季節を感じることができるんですよ。

    夏の初めから続いていた浴衣の仕事がピタッととまり、今は七五三用のお祝着のあげとりが最盛期です。 長着もほとんど袷です。たまに季節外れのものもきますが、どの種類の着物が多いかで季節がわかるのです。

  • 江戸小紋

    2025.04.30

    着物の染色技法に江戸小紋というものがあります。
    一般的に小紋とは柄を一方向に繰り返し型染めをしたものでカジュアルな着こなしとされています。
    一方、江戸小紋は同様に一方向の型染めではありますが、大変細かな点描で柄がえがかれており遠目には色無地の様にも見えます。
    また、紋入れなどによってフォーマルな場面でも着用される事から用途の広い着物になります。
    点描のみでえがかれた柄の美しさと繊細さには感嘆するばかりです。
    江戸小紋を染め上げるには長年の経験が必要と聞きます。
    こういった技術はマニュアルなどではなく人から人へと受け継がれていくものなので、途絶える事無く後世に続くことを願いたいです。

  • 浴衣の日

    2022.06.30

    7月7日は、五節句のひとつ「七夕(棚機・たなばた)」

    織姫と彦星が、一年に一度だけ天の川で会えるとされていますが、

    古くから機織りや裁縫の上達を願うお祭りとも伝えられています。

    そして、浴衣を多くの人に親しんでもらおうということから、

    『浴衣の日』でもあるそうです。

     

    ここ数年、浴衣を楽しむ機会が減ってしまっていたかと思いますが、

    この夏は各地でお祭りや花火大会の開催が発表されています。

    予定通り開催され、色とりどりの浴衣で街中が彩られることを願います。

  • 海を渡った着物

    2020.08.15

    昨年の夏、大君(まさる・19歳)が浴衣の仕立てを習いに来られました。445年の伝統を誇るオランダのライデン大学の日本学科に留学するにあたり、日本文化の象徴である着物について限られた期間内で学びたいとのご希望。1ヶ月の特訓で仕上げた自身の浴衣と、特別に差し上げた男物の着物と羽織等を持参して、単身旅立たれました。
    その後、『怒涛の日々が続いた一学期が終了し、勉学・生活のペースにも慣れ、やっと留学生活を心から満喫できる日々を送れるようになった』ことや、着物姿で臨む『日本語の授業のボランティアで、「着物のMasaru~」と親しく呼ばれている』ことをメールで知らせてくださいました。
    若い方の行動力とその情熱に感心するとともに、着物が「日・蘭文化交流」のささやかな一助となったことに感謝しています。

  • 海を渡った着物 その2

    2022.12.31

    3年前に1か月間の特訓で浴衣を縫い上げて、オランダへ単身留学された大(まさる)さんが今秋帰国され、また訪ねてきてくれました。当時19歳の少年でしたが、このコロナ禍の困難の中で無事にライデン大学を卒業。人懐っこい笑顔はそのままに、精悍な顔立ちとなり凛々しい青年に成長していました。

     

    今後も、日蘭の文化交流の懸け橋になりたいという念願の夢と将来への希望で、引き続き大学院に進学。近々オランダの友人の結婚式に出席するとのことでしたので、手持ちのお召しの着物と一つ紋の羽織を差し上げました。茶系の着物でしたが、好きな色だと気に入っていただいたようで、後日現地での着用写真を送って下さるそうです。

    その後、11月に渡欧された彼のお母様からお手紙をいただきました。ウィーンのクリスマスマーケットや古い街並みを、芸術や建築など大学で学んだ美術史の知識をもつ大さんの説明付きで楽しまれたとのことです。

    また、差し上げたお召しと羽織は、初代の着物を洗張りして仕立て直したものでしたが、来年2月のライデン大学の卒業式に着用して臨まれるそうです。

     

    日本の伝統文化の象徴でもある着物を、若い方が異国での晴れの席で着用してくださることは、和裁に携わる者として嬉しく思い、感謝しています。

  • 猛暑と着物

    2023.09.29

    お彼岸が過ぎ、ようやく朝晩は秋の風を感じるようになりました。
    今年の夏はかつてないほど猛暑が長く続きました。
    今月初旬に着物を着て、友人と三人で食事を楽しみました。一人は浴衣+袖無しの長襦袢、もう一人は木綿の単衣+絽の襦袢、最後の一人は絽の江戸小紋+絽の襦袢と盛夏なりのコーディネート。それでも汗だくでの食事会となりましたが、久しぶりの楽しいひと時でした。
    そこで痛感したのは、かつての暦に合わせていては、着物も楽しめなくなってしまったということでした。
    着物の季節ルールはいつでも難しいと感じるのですが、今後も無理なく楽しみたいと思います。
    お取引先の社長さんは、『着物は、これまでの決まり事(季節ごとの約束事)だけにこだわらず、季節の先取りとか、着る人の感じ方(体感温度)で楽しんでいいのではないか』と提案されていたそうです。

    これから冬にかけて、着用の機会を増やしたいと思う今日この頃です。

  • 理想の着姿を目指して

    2025.11.1

    土曜日の習い事和裁コースでは現在2枚目3枚目の単衣着物に挑戦中の生徒さんが多数います。

    『今回は衣紋を思い切り抜いて着られるように繰越を大きくしてみたい』

    『腰ひもを結ぶ位置を変えたので褄下を低くしたい』等

    みなさん思い思いに工夫をしながら縫っています。

    寸法が多少違っていても着られるのは着物の長所でありますが、

    自分の理想の着姿を目指して工夫した着物は手早く着ることができ、着崩れも少ないようです。

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