かさね色目とは、平安時代の装束の色彩コーディネートです。当時の絹は薄くてよく透けたため表地と裏地の色の組み合わせや、十二単のような重ね着をした時の配色、さらに経糸と緯糸の色を変えて織ることで複雑な色を作り出し、季節の色彩を楽しみました。色の組み合わせには名称があり、着用の季節や祝儀用など用途が決まっているものもあります。4〜5月ですと、白と青の組み合わせの「卯花(うのはな)」、青と紅梅の組み合わせの「菖蒲(しょうぶ)」などがあります。着物と帯・帯揚げ・帯締めの色選びに、このかさね色目を参考にして、色で季節を楽しむのも素敵かなと、思っています。